ご挨拶
大会長 挨拶
関西医科大学
薬理学講座 中邨智之
歴史ある日本結合組織学会の第54回学術大会を主催させていただくことになり、身の引き締まる思いでおります。
細胞外マトリックスは、細胞が自らのまわりに作る機能的な建築物です。組織に硬さ・強度や伸縮性を与えるだけではなく、細胞に働きかけてその機能を制御する微小環境でもあります。細胞外マトリックスが深く関わる疾患は、骨・関節疾患、肝硬変や間質性肺炎などの線維化疾患、大動脈疾患、皮膚疾患、眼疾患、癌など数多くありますし、再生医療においても細胞外マトリックスは正常な組織を作る上で極めて重要です。日本結合組織学会学術大会は、多岐にわたる細胞外マトリックス分子の専門家と臨床研究者が新たな知見を持ち寄り議論する貴重な機会となっています。
今回の学術大会では、体の形作りのメカニズムを理論・分子生物学の両面から追求して大きな成果を上げてこられた近藤滋先生(大阪大学・生命機能研究科)と骨や腱の分子生物学で目覚ましい業績を上げておられる淺原弘嗣先生(東京医科歯科大学)に特別講演をお願いしております。また、細胞外マトリックス分野の先達に自らの研究を振り返って御講演いただくマイスターズレクチャーに永田和宏先生(JT生命誌研究館)をお招きしました。永田先生は日本を代表する歌人としても知られていますが、コラーゲンをはじめとするタンパク質品質管理機構の解明に極めて重要な業績を多く挙げてこられました。他にも大動脈疾患等のトピックを集めたシンポジウムや若手の会のシンポジウムを企画しました。
会場の枚方市総合文化芸術センターは2021年9月にオープンした新しい施設で、京阪枚方市駅から徒歩3分ほどの至便な場所にあります。コロナの感染状況がやや落ち着いて対策もわかってきた今のタイミングならなんとかなりそうと判断し、オンサイトのみでの開催とさせていただきました。ポスターセッションも通常形式で復活します。対面での議論になりますのでマスクの着用をお願いいたします。この学術大会が基礎・臨床・企業の研究者の交流を促進し、細胞外マトリックス研究の更なる発展に結びつくよう、努力して参ります。
副会長 挨拶
京都大学医学部
循環器内科学講座 芦田昇
この度は大会長・中邨智之先生とともに本学術大会を開催させていただくこと、大変名誉に感じております。関係各位に、深く御礼申し上げます。
組織線維化は、ほとんど全ての疾患における病理学的な基盤であり、増悪因子であることはよく知られているところです。しかしながら、その治療法はいまだに確立されておらず、それ以前に組織線維化自体のメカニズムが十分に解析されていません。この理由の一つとして、線維化を正面から研究する学会がほとんどない、ということが挙げられると思います。
そのような中で、日本結合組織学会はほとんど唯一の、組織線維化をメインテーマとしている学会であります。しかも臨床的見地からの研究者のみならず、線維化の主要構成要素である細胞外マトリックスの基礎研究者もほぼ同数で参加されており、その結果として発表・討議内容の学術的深さと堅固さは特筆すべきものがあります。
このたびの学術大会において、基礎・臨床両面の研究者が有機的に相互刺激して活発な議論が形成されること、またその結果として臨床応用への道筋が浮かび上がることを、深く祈念しております。
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第54回 日本結合組織学会学術大会事務局
関西医科大学 薬理学講座
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